トヨタ社長が終身雇用難しいと発言!なぜ?その理由は?解説します

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会社が正社員を雇ったとき、給料の他に社会保険料を支払わなければなりません。

社会保険料には、

・労災保険(割合は業種によって異なる)
・雇用保険(割合は業種によって異なる)
・厚生年金(給料によって増減する)
・健康保険(都道府県によって異なる)

の4つがあります。

この社会保険料って、正社員で働いている人なら、給料明細でよく目にすると思うんですけど、実は労働者だけでなく会社側も負担しているんです。

この社会保険料を「東京都で月収30万円の正社員を雇ったとき」を例にして紹介します。

◯月収30万(基本給27万+福利厚生3万)+ボーナス4ヶ月分だとすると・・・
年間:30万円×12ヶ月+27万円×4ヶ月=468万円
・労災保険:468万円×4/1000=18,720円/1年
・雇用保険:468万円×6/1000=28,080円/1年
・厚生年金:27,450円×12ヶ月=329,400円/1年
・健康保険:14,685円×12ヶ月=178,370円/1年

合計すると、社会保険料だけで正社員1人あたり年間55万4570円です。

給料の他にですよ!?

ちなみに会社側の負担はこれだけではありません。

皆さん、“退職金”ってご存知ですか?

正社員が会社を辞める時に支払われるお金のことなんですけど、これも正社員1人1人に支払わなければなりません。

当然、空から退職金が降ってくるわけではないので、会社は給料や社会保険料以外に毎月退職金を貯金しているんです。

まとめると、

月収30万円の正社員を1人雇うとすると
年間:給料468万+社会保険料55万4570円+退職金の積立
のお金がかかる。



お金以外の会社側の負担


お金以外にも、正社員を1人雇う上での会社側の負担があるんです。

大きく分けて2つあります。

その1:簡単に解雇できない
その2:会社の業績が悪くなっても給料は払い続けなくてはいけない

これらは“終身雇用制度”とは違い、法律によって決められています。

だから、この2つを破ると大変なことになるんです。

では、まず「その1:簡単に解雇できない」について。

これは会社が決めたルールを守っている人は解雇できませんというルールです。

「営業成績が悪い」「個人的に嫌い」だとかいう理由では解雇できないんです。

だから“全然仕事しないけどルールは破っていないから雇われ続けている”正社員の方が日本全国にたくさんいます。

給料に加え、社会保険料まで払っている会社側からするとメチャメチャに痛手です。

全然仕事しない社員にお金を“ムダ”に払っているわけですからね。

次に、「その2:会社の業績が悪くなっても給料は払い続けなくてはいけない」について。

これは、雇われている正社員側だと気づきにくいことなんですけど、

例えば、2019年4月の経営状態が悪く、赤字だったとします。

でも、会社側は正社員に給料を絶対支払わなければならないんです。

どれだけ赤字だったとしてもですよ?

経営者、つまり社長の給料を0になったとしても、正社員には決まった額支払わなければなりません。

これ、何が問題かと言うと、例えば2017年の会社経営が上手くいって余裕ができ、新しく正社員を5人雇うとします。

そして勢いに乗って「2018年も頑張るぞー!」と意気込んだはものの赤字が続いてしまうと・・・

それまでいた社員+新しく雇った5人にも給料を支払わなければならないんです。

まとめると、

◯会社は勝手に正社員を解雇できない
◯どれだけ会社が赤字でも、社長や役員が給料0になっても、正社員には給料を支払い続けなければならない



終身雇用制度を続けることが難しい理由

正社員を雇う上で会社側にいろいろな負担がかかることが分かったと思います。

まとめると

◯給料以外にかかるお金がヤバい
◯どれだけ仕事ができなくても、正社員を解雇できない
◯赤字が続いても、正社員に給料を支払い続けなければならない

そりゃ、これだけ負担とリスクがあったら、会社側も正社員を雇いたくないですよね。

戦後から続いた日本のナゾの慣習”終身雇用制度”ですが、今まで続いたのが本当に不思議です。

今後、終身雇用制度はどうなっていくのでしょうか。

3.おわりに

と、いうことで今回は“終身雇用制度”についての解説でした!

いつもとは違い、文章多めでしかも長かったと思いますが、最後まで読んでくださりありがとうございます。

終身雇用制度は今後どうなっていくのでしょうか?

それについては、別の記事で解説しようと思います。想像よりも長くなっちゃったので(笑)